« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »
中央区の物件も大分、進んで来ました。
日本の昔の方(現在形ですが。)の知識は、建築の仕事を携わる中で”なるほど”と思う事がたくさん有ります。
この物件の外壁は屋根葺きに使う素材を選定しました。当然、屋根仕様なので防水は抜群です。右手前にぶらさがっているのが、外壁材の目地割りに使用した”タチ”(垂直の意味)を見るために水糸(私も昔から言っているのですが凧糸の現代版)です。普通に糸を垂らせば重力で直下に落ちる。ただ、それだけですが、一番間違えの無い垂直の見方で”ニュートンの法則”からですか、昔からよく見ます。この前、水管(クリアホースに水を入れた物ですが、水(重力が掛かる限り水平な物質)で水平を検知する単純な道具)をさしぶりに目撃しました。本当に久々に見ましたが、これが水平の原点(建築技法)で現在便利なレベルやレーザー(機械)も正確なポイントを出しますが、アナログの正確さにはかなわないなと思っています。私の事務所の光電話も10月後半、西日本の音信不通に巻き込まれました。(みなさまには多大なご迷惑をお掛けしました。)。再度、スピード(全ての現代社会の機械的な道具)に頼りすぎず、自然の法則も大切で有り、機械は狂うものだと再認識させて下さいました。
おつかれさまでした(中村さん)。ようやくこの現場も竣工を迎えようとしております。現場にて、太陽光は自身もとても気持ちの良い天からの恵みだと感じました。
”点灯”ですが意匠照明はいろいろな物を選定致します。時には別注照明を施すことも有りますが、この「イサム・ノグチ」氏デザインの和紙照明を自身は時により選定します。この方は主にプロダクトのデザインをされていいた日系アメリカ人の方です。数年前知ったのですが、戦後、いろんな意味合いで苦労をされた方でした。商業施設でもピンポイントで選定させていただいています。
普遍的な要素が有り、消費されない嘘偽りの無いプロポーションが何気なくくすぐられ、それほど強くなく、やさしく照らす照度は、また、その場所や空気感を程良く包み込む様な感触が有り、住まわれる施主の御家族に、穏やかに、やすらぎが生まれるシーンが浮かび、球体ですが、水平的な空気感が生まれるように感じています。
最近のコメント